大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和28年(オ)491号 判決 1957年12月05日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告理由について。

約束手形の裏書人が被裏書人に対する裏書を抹消することなく、所持人として右手形金請求の訴を提起した後、被告たる振出人から裏書の連続を欠く旨の抗弁が提出された場合に、所持人が前記裏書を抹消したときにおいても、裏書の連続の関係においては手形法一六条により右裏書はこれを記載せざりしものとみなすべきものと解するを相当とする。それゆえ、論旨は採ることをえない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 真野毅 裁判官 斉藤悠輔 裁判官 入江俊郎 裁判官 下飯坂潤夫)

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!
©大判例